Deal×Love
話に盛り上がっていたその時、窓からコンコンと音がして振り向くと園田さん。

「あの椿お嬢様、もうすぐチャイムが鳴る時間かと……」

窓を開けて園田さんの言葉を聞くと、遠くからチャイムが聞こえてきた。
私達は叫びながら車から慌てて飛び降りた。






それからあっという間に一週間が過ぎ、ついに卒業式。


「卒業して、結婚まで……椿が突然、離れていっちゃったわ……」

朝、私の最後の高校の制服姿を見ながら感慨深そうに母が言う。

「椿はよくやってくれた。今日の卒業式、晴れの舞台なのに顔が出せなくてすまないな」

来なくて結構。と笑顔の父に私は心の中で毒づく。
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