Deal×Love

「一応、暮らす前にルールのおさらいしておこうか」

海さんに言われて、私は姿勢をピシッと正す。

「まず一つ目、君はこっそり隠れてやってくれれば自由に恋愛して良い。一応君が大学を卒業するまでは結婚を公表しないと両親にはお願いしてあるから」

それは助かる。
だって海さんの御母様は私の卒業式に来させたほどだから、黙っているとは思えなかったから。

「二つ目は、お互い干渉しないこと」

「分かりました」

「椿さんも何か守って欲しいルールあるかな？」

「特にありません」

「本当に？」

「本当に大丈夫です」

父から助けて頂いただけで感謝しているのに、その人に何かをお願いするなんて厚かましいことは出来ないし。
でもそれ依然にお願いするようなことも無いのだけど。