あいつとお前と俺。
善と涼子と、またこうして
三人でいられる。



それがどれだけ幸せなことか、
身に染みて感じた。







この時間がずっと続けばいいと
思っていた。







「卒業式かぁーーー。
ほんとは出たかったなぁーー。」





ソファーに横たわりながら
善が悔しそうに言った。






「善そうゆうの好きだもんね、ほんとは。あ、でも来なくて正解だったかもよ?」


涼子が、ニタリと微笑む。




「何でだよ!」




「善、多分誰からも名札とか持ち物下さい!って奴、言われないだろうしっ!」





「おいっ!なんだよそれ!!!」




「あ!ちなみに大地は、持ち物全部完売だったよ。ランドセルまで取られそうになってたの、あたし止めたんだからね!」





「うわー。やっぱり行かなくて良かったかも。そんな屈辱耐えられないわ。」







卒業式…。か…。





この日を機に、善が少しずつ
普通の生活を取り戻してくれれば、

中学の入学式には
一緒に行けるかもしれない。



でも、
小学校の卒業式はもう二度と来ない。






俺は善に、
卒業式をしてあげたくて、

この日新たに計画をたてた。







善の為の卒業式をやる!!

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