あいつとお前と俺。
ピンポーン
「こんにちはー!大地です!」
「涼子ですっ!!」
『ごめんね、いつも。
善はまだやっぱり、誰にも会いたくないみたい。会えるようになったら、善から連絡するからね。』
インターホン越しで
いつものように断る善の母ちゃん。
「今日は会いに来たんじゃないんです。
ちょっと渡してほしいものがあるから、渡してもらえますか!」
そう言うと、善の母ちゃんは
ちょっと待ってねと言い、
玄関を開けてくれた。
「善ママ、道路に持ってきたんだけど、重たくて二人じゃ持てないの、一緒に玄関まで運んでくれる??」
よし、涼子いいぞ、名演技だ!!
「え?そんなに重いもの?なぁに?」
涼子が善の母ちゃんを道路脇へ誘導する。
「今だ!!!」
俺は鍵の空いてる玄関へ
もうダッシュし、
勝手に善の家へ侵入!!
完全なる不法侵入だが、
小学生の発想なんだ…。
多目にみてくれ。
「え!?あ、ちょっと大地くん!?」
「す、すみません!!お邪魔します!!」
涼子も俺の後を追い、
無事に不法侵入!!!!
善の部屋はもちろんわかる!
善の部屋まで一直線の俺と涼子。
バンっ!!!!!
勢いよくドアを、開ける俺。
部屋のなかでは、
カップ麺を食ってる善がいた。
「もぐもぐ…は!?なに!?お前ら!!!ちょっと!!え!?」
第一印象は、
あんまり変わってない…。
だった。
なんとなく、もっとこう、
やつれてたりとか、
太ってたりとか、
目に見えて変わってしまっているのを
想像していたのだ。
「バカヤローー!!!」
とっさに出てきた言葉が
用意してたセリフとは全く違う
こんな言葉だった。
でも止まらなかった。
「何が今は誰とも会いたくないだよ!!
学校なんか来なくていーよ、卒業式がなんだよ!!
せめて俺らにくらい会えよ!!
なに呑気にラーメン食ってんだよ!!
それ俺がおすすめしたやつじゃねーか!!」
「ははっ、すまん。
いや、なんかさ…。やっぱり、最初はホントに家から出れないってゆうか、なんてゆうか、顔合わす自信なかったけど、
最近はもう、日にちが経ちすぎちゃって、俺のキャラ的にどう出てっても、みんな気ぃ使うだろーなーとか、何か色々考えちゃってめんどくさくなってよぉ。
引きこもりってやつだよな、ハハハ」
善は、
今までどおりのふざけた
喋り口で笑っていた。
俺は方針状態で、
さっき叫んだ言葉で息切れしてた。
「ばか…。ばか…。善のばか。」
今度は涼子が泣きながら言った。
「いや、俺も言ったけど、善にバカってゆうのは何か違うってゆうか…。」
俺はもう何がなんだかわかんなくなっていた。
「どうして…。どうして私たちにまで、無理して笑うの…。
どうして善は弱い部分を見せようとしないの…。
すごく、辛かったでしょ。あんなことがあって、平気なわけないでしょ…。
無理して笑わないでよ…。
私たちの前でくらい、思いっきり泣いてよ、平気なフリするのやめてよ!
バカ、バカ、善のバカ…。」
涼子のその言葉に、
俺も泣いた。
善の部屋の扉の前の廊下で、
善の母ちゃんが泣き崩れているのも見えた。
そして、善も、
長い沈黙のあとに、
大粒の涙を流した。
そんな善に俺と涼子は
抱きついた。
「ごめん…。俺。ごめん…。」
善は謝ってた。
謝ることなんてなにもないのに。
善がはじめて、
心を見せてくれた気がして、
不謹慎だけど俺は嬉しかった。
残りのカップ麺はノビノビになって、
粗末にしてしまった事には
申し訳ないが、
その日俺らは朝になるまで
善の部屋で一日中話明かした。
「こんにちはー!大地です!」
「涼子ですっ!!」
『ごめんね、いつも。
善はまだやっぱり、誰にも会いたくないみたい。会えるようになったら、善から連絡するからね。』
インターホン越しで
いつものように断る善の母ちゃん。
「今日は会いに来たんじゃないんです。
ちょっと渡してほしいものがあるから、渡してもらえますか!」
そう言うと、善の母ちゃんは
ちょっと待ってねと言い、
玄関を開けてくれた。
「善ママ、道路に持ってきたんだけど、重たくて二人じゃ持てないの、一緒に玄関まで運んでくれる??」
よし、涼子いいぞ、名演技だ!!
「え?そんなに重いもの?なぁに?」
涼子が善の母ちゃんを道路脇へ誘導する。
「今だ!!!」
俺は鍵の空いてる玄関へ
もうダッシュし、
勝手に善の家へ侵入!!
完全なる不法侵入だが、
小学生の発想なんだ…。
多目にみてくれ。
「え!?あ、ちょっと大地くん!?」
「す、すみません!!お邪魔します!!」
涼子も俺の後を追い、
無事に不法侵入!!!!
善の部屋はもちろんわかる!
善の部屋まで一直線の俺と涼子。
バンっ!!!!!
勢いよくドアを、開ける俺。
部屋のなかでは、
カップ麺を食ってる善がいた。
「もぐもぐ…は!?なに!?お前ら!!!ちょっと!!え!?」
第一印象は、
あんまり変わってない…。
だった。
なんとなく、もっとこう、
やつれてたりとか、
太ってたりとか、
目に見えて変わってしまっているのを
想像していたのだ。
「バカヤローー!!!」
とっさに出てきた言葉が
用意してたセリフとは全く違う
こんな言葉だった。
でも止まらなかった。
「何が今は誰とも会いたくないだよ!!
学校なんか来なくていーよ、卒業式がなんだよ!!
せめて俺らにくらい会えよ!!
なに呑気にラーメン食ってんだよ!!
それ俺がおすすめしたやつじゃねーか!!」
「ははっ、すまん。
いや、なんかさ…。やっぱり、最初はホントに家から出れないってゆうか、なんてゆうか、顔合わす自信なかったけど、
最近はもう、日にちが経ちすぎちゃって、俺のキャラ的にどう出てっても、みんな気ぃ使うだろーなーとか、何か色々考えちゃってめんどくさくなってよぉ。
引きこもりってやつだよな、ハハハ」
善は、
今までどおりのふざけた
喋り口で笑っていた。
俺は方針状態で、
さっき叫んだ言葉で息切れしてた。
「ばか…。ばか…。善のばか。」
今度は涼子が泣きながら言った。
「いや、俺も言ったけど、善にバカってゆうのは何か違うってゆうか…。」
俺はもう何がなんだかわかんなくなっていた。
「どうして…。どうして私たちにまで、無理して笑うの…。
どうして善は弱い部分を見せようとしないの…。
すごく、辛かったでしょ。あんなことがあって、平気なわけないでしょ…。
無理して笑わないでよ…。
私たちの前でくらい、思いっきり泣いてよ、平気なフリするのやめてよ!
バカ、バカ、善のバカ…。」
涼子のその言葉に、
俺も泣いた。
善の部屋の扉の前の廊下で、
善の母ちゃんが泣き崩れているのも見えた。
そして、善も、
長い沈黙のあとに、
大粒の涙を流した。
そんな善に俺と涼子は
抱きついた。
「ごめん…。俺。ごめん…。」
善は謝ってた。
謝ることなんてなにもないのに。
善がはじめて、
心を見せてくれた気がして、
不謹慎だけど俺は嬉しかった。
残りのカップ麺はノビノビになって、
粗末にしてしまった事には
申し訳ないが、
その日俺らは朝になるまで
善の部屋で一日中話明かした。