あいつとお前と俺。
「善くん、大地くんの情報のおかげで、無事に涼子が帰ってきてくれたんだよ。ありがとう。」




涼子の母ちゃんは、

青ざめている俺らに気遣い
そんな言葉を言ったけど、

俺らが礼を言われるのは
間違ってると思った。





恥ずかしいけど、

その言葉を聞いて、

情けなくて、

悔しくて、






涼子に申し訳なくて、






善と一緒に大号泣した。








どうしても謝りたいと、
親に無理矢理頼んで、
夜遅くに善と一緒に涼子の家に行った。






涼子は不思議そうな顔をして出て来て、

涼子の顔を見た瞬間、

俺らはまた号泣しながら、



「涼子ーーーー、ごめんなさいー!!!」




と謝った。





俺と善の親は、

『涼子ちゃんはまだ、ショックがあると思うし、そっとしといてあげなさい。』

って言ってた。



だから、こんなこと言って、
余計に傷つけるかもしれない。





怖かった。

でも謝りたかったんだ。








「…ぷっ。はは、何それ!」






「「はっ!?」」






涼子は普通に笑ってた。

あれ?

お前ほんとに誘拐されたのか??






「確かにすっごい、怖かったし、よく逃げれたなぁって思うけど、何もされなかったし、別に二人が気にすることないよ。」





涼子はケロっとしていた。





俺らは、まさに、

あいた口がふさがらないとゆう状態。







「二人ともわざわざありがとうね。
二人も変な人には気を付けてね。」






涼子の両親も優しくて、

俺達は救われた気持ちになった。









涼子自身も、涼子の両親も、

この事を学校でも公にすることは
望んでおらず、

このことは、子供のなかでは
俺たち3人の秘密になった。







ただ、名前は明かしてはいないが、
警察にも世話になったし、

学校側にももちろん報告があり
しばらくは登下校を
保護者がしたり、

自転車登校が認められたりと、

さまざまな対策がとられた。







あの日から、俺たち3人は、

ずっと登下校は共にすることになった。
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