お見合いから始まる恋→結婚
待っていたい気持ちともう断ち切ってしまいたい気持ちが私の中で渦を巻いているようだ。

「なあ、尚登君とはそんな事も決めていないのかい?」

お父さんが私をじっと見る。

私はその視線を正面から受け止めきれない。

「ごめんね。」

私は両親の前であふれてくる涙を一生懸命こらえる。

何とか涙を流さずに済みそうだ。

「だから早まってはいけなかったのよ。」

急にお母さんが声を上げる。

「一緒に住むことも、結婚することもそんなに早急に決める事ではなかったのよ。」

「でもお母さん、前の人とは私は5年も付き合っていたのよ。でもダメになったわ。」

私があの時の事を両親に直接触れるのは、婚約解消になってから初めてかもしれない。

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