お見合いから始まる恋→結婚
「もう陶子と離れる事が出来ない。」

少し顔が離れて、お互いの視線が合った。

「陶子、愛している。俺と結婚して下さい。」

私は涙でくしゃくしゃの顔で笑う。

「女はいくつになっても、その最初の言葉が欲しいのよ。」

あの時の言葉のアレンジだ。

それを聞くと尚登は唇を合わせてきた。

やっぱり今日のキスは今までで一番温かい。

「あっ…!」

私は思わず声を上げた。

「なっ、何?」

私の声に驚いた尚登は目を丸くしている。

「私、中村さんにここまで軽トラックに乗せて来てもらったんだった。」

尚登もハッとすると、二人で慌てて玄関に向かう。

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