お見合いから始まる恋→結婚
尚登さんのつないでいる手に力が入った。

「研究だって、あんなに上の空になった事はない。上司に驚かれたんだからな。」

私はふっと尚登さんを見上げる。

「訳を話したら…。」

尚登さんの勿体ぶった話し方に私は首をかしげる。

「君をそんな風にした女性に今度会わせてほしいと笑われた。」

繋がれた手がほどかれ、私の反対の肩の上に乗ったかと思うと…。

ぎゅっと尚登さんに引き寄せられた。

そして彼は私の唇にキスを落とした。

「尚登さん、恥ずかしい。人前なのに…。」

私は顔を赤くすると、ちょっと抵抗をした。

「今までこうしたくても出来なかったんだからな。気持ちが近づかないと手も出せないんだな。」

全てが解禁されたかのように振る舞う尚登さん。

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