お見合いから始まる恋→結婚
知り合って半年ほど。

やっと今日恋人同士になったと思ったら、こんな展開が待っているとは。

「陶子、どう?」

尚登さんは優しく微笑みながら私を見つめる。

「うちに必要なものだけを持ち込んでくれたらいい。充分二人で暮らせると思う。」

尚登さんのマンションにはまだ行った事はないが、大体の場所は分かっている。

うちからより勤め先の大学へ通うのには近くて便利になる。

「でも…。」

私の口から洩れた否定的な言葉に、尚登さんは一瞬顔を曇らせた。

「女は新しい事にそう簡単に飛び込めないのよ。少し考える時間を与えてやってくれないかしら?」

私の様子を見て、お母さんが助け舟を出してくれた。

尚登さんはそこで話題を変えてくれた。

その後は和やかに時間が過ぎた。

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