お見合いから始まる恋→結婚
「別に急いでいるわけじゃない。でも俺の気持ちは変わらない。だから…。」

私の手を包み込む尚登さんの手は温かい。

「結婚はまだにしてもやっぱり一緒に生活を始めてみないか?」

無言の私に尚登さんはつぶやいた。

「もう離れたくない。ずっと一緒に居たいんだ。」

私の目からぽろぽろと涙が伝った。

今日はいろんな事が起こり過ぎて、気が緩んでしまったようだ。

「おい、陶子、どっ、どうしたんだ?」

慌てる尚登さんをやっぱり愛おしく思う。

この気持ちを大事にしたらいいんだよね。

「引っ越しの準備をしなくちゃいけないね。」

私の一言に、尚登さんは満面の笑みを見せた。










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