お見合いから始まる恋→結婚
「悟さんたら…。」

いつの間にかお父さんも近づいて来た。

「尚登にはすぐにでも引っ越してくるように言われているんだけどね、私の方が踏ん切りがつかないみたい。」

私が少し恥ずかし気に言ったのがお父さんは気になったようだ。

「前にも言ったけど、勢いも大事だと思うぞ。陶子が決められないのなら、私が尚登君と相談して引っ越しの日を決めるが、それで良いか?」

「それも良いかもね。」

お母さんはお父さんの提案にうなずいている。

「…もしかして尚登と相談済み?」

「そうなの?悟さん。」

お母さんはどうも知らないようだ。

「初めて会った時から、尚登君には陶子の事を相談されている。その中の1つに引っ越しの話が出るのは当たり前だろう。」

お父さんにじっと見つめられる。

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