お見合いから始まる恋→結婚
そんな尚登に私は笑いかける。

「だ・い・じょ・う・ぶ。」

尚登にしか聞こえない小声で、わざと口を大きく動かす。

尚登は大きく深呼吸をした。

そして前の二人に向かって話を始めた。

「こちらが俺の婚約者の平川陶子さん。来週には引っ越しして同棲する予定だ。その後入籍をする。両方の両親にも了解は既に取ってある。」

私達はどちらともなく視線を合わせた。

「婚約者の平川陶子です。よろしくお願いします。」

私は二人に頭を下げた。

何となく釈然としない表情のお兄さんより先に璃子さんが口を開いた。

「ちょっと待って。私は尚登とやり直すつもりでここへ来たのよ。」

何の遠慮もなく、平然と璃子さんは言ってのけた。

「君とはちゃんと終わっているじゃないか。何を今更言っているんだ?」

少し怒りが籠った尚登の声。

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