イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
「おー、結月ちゃんいらっしゃい! 大変だったね」
「店長、ご心配をおかけしてすみません。これ、皆さんで召し上がってください」
持ってきた菓子折りを手渡すと、店長は「気を遣わせて悪いね」と肩を竦めた。
「ちょうど今、みんな奥で休憩してるよ。顔見せてあげてよ」
「はい」
休憩室になっている奥の和室に入ると、従業員のみんなが店のオープン前に休憩をしているところだった。
「結月ちゃん、お父さん大丈夫なの?」
真っ先に駆け寄ってくれたのは、ベテランのパートの田上(たのうえ)さんだ。数年前に義理のお父さんが父と同じ病気で倒れたとかで、とても心配してくれた。
「相変わらず眠ったままですけど、一応安定はしています」