イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 まさかとは思ったけど、本当に羽根木さんだったなんて。


 画面の中で品よく微笑むその姿が、急速に遠くなっていくのを感じる。

 毎日のように電話をして、不安や悩みを共有して、羽根木さんのことをとても近しく感じていたけど、私なんかじゃ手の届かない世界に住む人だったんだ。


「あら、やっぱり結月ちゃんも見たことある? ね、ホントにハンサムよねぇ」

「そうですね……」


 見惚れていると思ったんだろう、テレビに釘付けになる私に、田上さんが仲間を見つけたとばかりに嬉しそうに話しかけてくる。

 なんとか相槌を打ったけど、田上さんの話はほとんど耳をすり抜けて行った。



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