イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
『もしもし、結月?』
ワンコールもしないうちに、恵理は私からの電話を取った。
「連絡くれてたのね。ごめん、気づかなくって」
『そんなこといいの。結月、ニュース見た?』
「ニュース?」
恵理の言葉に、自然と視線はビルの上に設置してある大型スクリーンに吸い寄せられた。ちょうど夕方のニュースがはじまったところだ。
「えっ?」
表示されたトップニュースのテロップに我が目を疑った。
「……嘘でしょ」
男女のアナウンサーの下に、私が四月から勤める予定だった会社名と『破産』の文字が赤く抜かれている。
どういうことなの。『破産』って、会社が無くなっちゃうってこと?