イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

『もしもし、結月?』

 ワンコールもしないうちに、恵理は私からの電話を取った。


「連絡くれてたのね。ごめん、気づかなくって」

『そんなこといいの。結月、ニュース見た?』

「ニュース?」

 恵理の言葉に、自然と視線はビルの上に設置してある大型スクリーンに吸い寄せられた。ちょうど夕方のニュースがはじまったところだ。


「えっ?」

 表示されたトップニュースのテロップに我が目を疑った。

「……嘘でしょ」


 男女のアナウンサーの下に、私が四月から勤める予定だった会社名と『破産』の文字が赤く抜かれている。

 どういうことなの。『破産』って、会社が無くなっちゃうってこと?

< 26 / 178 >

この作品をシェア

pagetop