イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

 大学教授である父は、確かにそこそこの稼ぎはあった。


 しかし「先行投資だ」と言ってはよく学費や生活費に困った学生たちを助けていたし、時には自宅へ招いてご飯を食べさせたりもした。

 それだけじゃない、父の海外への発掘調査に同行させるために資金も援助していた。


 これまで学生たちに貸していたお金が全て返って来たわけじゃないし、実はそんなに貯金もない。

 だからと言って、父の行いを責めるつもりは毛頭ない。寧ろ私は、父のことを誇りに思っている。

 これからは私も働くのだし、万が一家計が苦しくなった時は、私が働いて父を助ければいいのだと思っていた。

 でもまさか、ここに来て内定取り消しの危機……。


「……これから私、どうしたらいいの?」


 穏やかな顔で眠る父の顔を見つめ、私は頭を抱えこんだ。

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