イジワル御曹司様に今宵も愛でられています

「それにしても、お家元が女性のアシスタントを連れていらっしゃるなんて驚きました」

「え、今までいなかったんですか?」

 花を扱ういけばなは、私にとっては『女性がたしなむもの』というイメージが強かった。
 
 だから羽根木さん側のスタッフにも当然女性がいるものと思っていたのだけど。


「お家元って、女性から見たらまあ魅力的な方でしょう? しかも国内外に多数の支部を持つ一大流派の御曹司で未だ独身。どんな伝手を使ってでも藤沢さんのポジションに入り込みたいって女性は数えきれないほどいるはずです」

「というと?」

「仕事を通じてお近づきになって、上手くいけば……ってことです。まあそういう方は葛城さんが事前に跳ね除けてきたみたいですけど」

「そうなんですか! さすが葛城さんですね。私も見習わなくちゃ」

 アシスタントとしての新たな業務を発見して気合を入れる私に、松原さんは「え?」と一瞬驚いた顔をする。

「えっと、私が言いたいのはそこじゃなくて……。藤沢さんも気をつけてくださいね。女性ってほら、結構怖いとこあるから」

「えっ!?」

 あっ、そうか! 羽根木さんの側にいるってだけで、私もやっかまれる対象になり得るってことなんだ……。

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