独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 健康には気をつけているものの、忙しくて簡単なものしか食べないような食生活を送っていたし、しっかり食べるときは外食ばかりだった。

 ゆっくり食事を楽しむ時間などなかったし、食事会という名の仕事だから気が休まらない。

 しかし詩織とこうして食事と摂るようになって、他愛もない話をしながら目の前の料理を楽しむことができてとても満足している。

俺が料理を口に運んだあと、味を心配しているところもいじらしい。

 美味しいって褒めると、「そんなことないです」と言いながらも、はにかんで嬉しそうにしているところも可愛い。


「今日もまた会社に戻られるんですか?」
「いや、今日は自宅にいる。けど、テレビ電話で役員会議をする予定」
「こんな時間から?」
「ああ、レストラン事業の方で新しい食材を海外から取り寄せることになって、現地にいるスタッフと値段の交渉をするんだ。向こうの時間に合わせてだから、どうしても遅い時間になる」
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