独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「だいたいこのご時世に政略結婚って何? 時代錯誤もいいところだよ。一体いつの時代の話?」
「そうだよな。お前が怒るのも無理ない」
「晴樹……」
取り乱して怒っていると、晴樹がたしなめるように言葉を返した。
「すまない、話が飛躍していて受け止められないよな。直樹、ちゃんと一から説明しろ」
「うん……そうね」
マシンからカフェオレが出来上がると、私はコーヒーカップを取り出し口へと運んだ。
いつもならすごく美味しく感じるのに、今日は全然味がしない。
突然の話に驚いて風味を楽しめる余裕がないのだろう。
「まずソファに座ろうか」
「……うん」
晴樹に促され、私たち三人はソファに向かい合うように腰かけた。
幸い……今日も来客予定はないので、こんなふうにスタッフだけで座っていても問題はなさそうだ。