独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「じゃあ、私は仕事に行ってくるね」
「ああ、いってらっしゃい」

 お父さんの手を離し、私は立ち上がった。そして自室に戻り、服を着替える。

 今からこの婚姻届を持って、これから住む家に向かうつもりだ。

 一応、清楚なワンピースをチョイスして、無難な格好をしておこうと思う。
相手がどんな女性が好きか分からないけれど、せめて不快に思われないようにしないと。

 セミロングの髪をゆるく巻き、露出しすぎないようにカーディガンを羽織っておく。
ヒールも高すぎず、足元に馴染むピンクベージュのパンプスを履いた。

「よし」

 家を出る支度が済んだ私は、封筒に入っていた鍵を握り締め家を出た。
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