独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます
「最近物騒ですからね。このマンションではセキュリティを高くしております」
「なるほど……」
「では、こちらになります」
四十階に到着し、長い内廊下を歩き、部屋の前に到着した。
「ではわたくしはこちらで失礼いたします」
「ご丁寧にありがとうございました」
礼儀正しく頭を下げてくれたコンシェルジュさんにお礼を言ったあと、佐々木さんから渡された鍵を扉に差し込んだ。
「はぁ……緊張する」
場違いもいいところ。こんな高級なマンションに住むって想像していなかったので、まだ状況把握できていない。
ドキドキと高鳴る胸を感じながら、ゆっくりと鍵を回して開錠した。そして重い扉を開いて、中に入る。
「おじゃましまーす……」
鍵はもらったものの、本当に来て大丈夫だったのだろうか、とここに来て不安になる。
きっと今の時間帯なら仕事をされている時間だろうし、誰もいないだろうと思ってきたのだけど……。