朱莉さんの不可解な一週間
冷静じゃないのに、冷静になろうとしてる。


こういう時、自分の性格が嫌になる。


くるみみたいに気持ちのまま行動出来ればいいのにと思う。


一葉みたいに平気だって振りを貫き通せればと思う。


だけどあたしはそのどっちも出来ないで、中途半端なままグズグズと考えるだけで行動に移す事が出来ない。


ただギリギリの理性が、冷静になれと言う。


そしてそれに従おうと必死になってる。


無理なくせに大人の振りして爆発寸前の感情を抑え込んでるから、こんな風に体に異変をきたして吐く羽目になる。


いくら珈琲を飲んでも体のダルさが抜けなくて、浴槽にお湯を溜めてゆっくり入ろうかと、夕方近くになってようやく動き出した時に携帯が鳴った。
< 150 / 324 >

この作品をシェア

pagetop