朱莉さんの不可解な一週間
「何でしょうか」

「あたしが処女って分かった瞬間、逃げた! それって面倒だと思ったからでしょ!? 遊ぶ相手に処女は面倒だって!」

「違います」

「違わない! 完全に引いた顔してた!」

「それは、場合が場合だったからです!」

「場合って何よ!?」

「初めては、あんな風に捨てるもんじゃない!」

「はあ!?」

「初めてっていうのはもっと大事なものでしょう? あんな風にその場の勢いで、しかもあんな汚いラブホテルで捨てるもんじゃない」

「どこの乙女!?」

「乙女だろうと何だろうと、そんな風に捨てるもんじゃないんです! 僕はあなたにそんな捨て方させたくない!」
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