朱莉さんの不可解な一週間

5分前

「ありがとうございましたあ」

気だるそうな深夜のコンビニ店員の声に送られて、コンビニを出たあたしの手にはビニール袋。


当然その中に入ってるのは食料で、悩みに悩んだ末にパンとカップラーメンを買った。


いくらか残った小銭をポケットに入れて、会社に戻る足取りは軽い。


とにかく今のこの空腹をなくす事が出来るってだけでテンションは上がる。


その所為か、ひと気のない夜道を歩いてても何とも思わない。


元々何とも思わないけど、今日は特に思わない。


自然と足早になるのは、怖いと思ってるからとかじゃなくて、早く会社に戻ってパンをむさぼりたいって思ってるから。
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