Some Day ~夢に向かって~
だけど、徹くんからの電話は一向に掛かって来なかった。夕方になり、夜になり・・・たまりかねて私の方から掛けてみても、つながらず、LINEも未読のまま。


ショックを受けてるのは、動揺しているのは、徹くんの方なのは間違いないんだけど、だからってこの状況はお前なんかに俺の気持ちがわかるかと、突き放されてしまっているようで、悲しくなって来る。


いつもは楽しみな夕食も、何となく箸が進まず、受験が終わったのに、どうしたのと、親に心配されてしまった。


部屋に戻り、時だけが流れて行く。徹くんには徹くんの事情があるんだ、私は自分にそう言い聞かせて、お風呂に入ろうかと、動き出した時だ。徹くんからであることを知らせる着信音が鳴り響いた。


「もしもし。」


「悠、ゴメン。こんな時間になっちゃって。親と実りのない長話をさせられてて。」


聞こえて来た徹くんの声は、疲れていた。


「そうなんだ・・・。」


「詳しくは明日話すけど、悠との約束破るのだけは嫌だったから。」


「ありがとう、徹くん。」


徹くんも早く掛けたかったんだとわかって、私はホッとする。


「今日、会えなかったのもゴメンな。なんかお前の顔見たら、泣いちまいそうな気がして。」


「いいじゃん、辛いときは泣いたって。」


「男のつまんねぇプライドだよ。お前に涙見せるなら、もうちょっと大切な場面じゃないとな。たかが受験に失敗したぐらいじゃ。」


「たかが受験・・・。」


「そう、たかが受験。されど受験、か・・・。」


「徹くん・・・。」


徹くんの辛い気持ちがヒシヒシと伝わって来るけど、今の私には徹くんに掛けてあげるべき言葉が見つからなかった。


「明日は久し振りに迎えに行く。一緒に学校行こうな。」


「うん、待ってるね。」


結局、そう明るく答えることしか、私には出来なかった・・・。
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