Some Day ~夢に向かって~
決断
翌朝、徹くんは約束通り、迎えに来てくれて、私達は久しぶりに一緒に登校する。


「始業式以来か。」


「そうだね。」


「付き合い始めてから、ほとんどまともなデートもしてないもんな、俺達。でもこれからは少しは出掛けられるな。」


「うん、楽しみだけど、大丈夫?」


「ちょっとは遊んだって、罰当たらないだろ。それに、こんな生活ずっと続けてたら、ストレスで倒れそうだし、悠にも逃げられちゃう。」


そう言うと、徹くんは笑う。その笑顔にホッしながら、私は混ぜっ返す。


「そんな〜、逃げるわけないじゃん。」


「大学入ったら、イケメンが全国から集まって来るんだ。暗い浪人生なんて、太刀打ち出来ねぇよ。」


「徹くん、それ本気で言ってるの?」


「結構本気。俺、悠を取られないか、心配でたまんねぇ。」


「そんなの大丈夫だよ。」


ここで、一拍置いたあと、私は尋ねた。


「やっぱり浪人するの?」


「ああ、結局それしかないだろ。記者になる為の専門学校もあるけど、それだけで就職出来るかと言えば、かなり厳しいみたいだし、これからある大学の2次募集も狭き門であることは間違いない。さすがにもう1年やりゃ、どっか引っ掛けるだろうからな。ただ・・・。」


「ただ?」


「親父が、浪人するなら将来に備えて、経営学部に行くのが絶対条件だとか、実地で鍛えるから、4月から勉強しながら、会社にも顔出せとか、訳わかんないこと言い出して。」


「ええっ?」


「そんなの無理だって、俺が言い返して、結局その押し問答で時間を空費したってわけ。」


「そうだったんだ・・・。」


ため息をつく徹くんに、私は同情を禁じ得なかった。
< 127 / 178 >

この作品をシェア

pagetop