Some Day ~夢に向かって~
そして迎えた最終学年、私は既に諦めの境地にあった。


今までノンビリしてた人達でさえ、焦って走り出すのが、受験生。そんなみんながソワソワ、ピリピリする時期に、今更友達なんか、出来るわけない。


私は入る高校を間違えたんだ、きっと。後悔しても、もう遅いけど。こうなったら、トコトン勉強して、絶対いい大学入ってやる!


半ば、不貞腐れた決意を、心に秘めて、3-Aの教室に入った私の目に、仲良さそうに喋ってる2人の女子の姿が飛び込んで来た。


(あっ、あの子達も、同じクラスなんだ。)


学校と家をひたすら往復してるだけの、つまんない女子高生って、勝手にレッテル貼られちゃったけど、私だってお年頃の女子。恋くらい、するよ。


私のお相手は1年先輩の白鳥徹さん。野球部のエースで、とってもカッコいいんだから。


あっ、すいません。誤解を与えるといけないんで、あくまで一方的に憧れてるだけで、先輩とはただの一言も喋ったこともありません。念の為・・・。


私は決して家と学校をただ往復していたわけじゃない。放課後、白鳥先輩の雄姿を見に、野球部が練習しているグラウンドに足を運んだことは何度もある。


その時、よく見かけたのが、あの2人。練習を見に来てる子は大勢いたけど、なぜか私の目には、2人の姿が印象に残った。


可愛い子達だなと思ったのもあったけど、とにかく楽しそうに野球を見ていたし、本当に仲良しなんだってことが伝わって来て、羨ましかった。


私も仲間に入れたらと、思ったことが何度もあったけど、クラスも違うし、私みたいのが、突然声かけても引かれるだけだなと思って諦めてた。


そうか、この私の性格が、いけなかったんだね。結局・・・。
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