Some Day ~夢に向かって~
でも、学校に近づくにつれ、私の気持ちはまた、だんだん重くなって来た。


腫れぼったい目を冷やす時間もなかったし、何よりも先輩と気まずくなってしまった。


先輩に幻滅したのは確か、でも嫌いになったかと言えば・・・。


もう先輩と口も利けない関係になっちゃうのかな、でも私から謝るのもおかしいよね。


「悠!」


そんなことを考えながら歩いていると、後ろから肩を叩かれる。振り向くまでもなく由夏だ。


「由夏、おはよう。」


「おはよう。大丈夫?」


夕べは由夏からLINEが来なかった。とても返事が出来る状態じゃないって、気を遣ってくれたんだろう。


「うん、大丈夫だよ。」


笑顔で答えたつもりだったけど


「だいぶ泣いたみたいだね。」


「やっぱりわかっちゃう?」


「うん・・・でもしょうがないよ。気にしないで行こう。」


そう言って肩を抱いてくれる由夏は、やっぱり、かけがいのない親友だ。


教室に入ると、沖田くんや加瀬くんが心配そうにこちらを見てる。彼らに笑顔を送ると、私は席につく。隣の席は空いたまま、先輩はまだ来てない。


取り巻き女子の何人かは、逆にこちらに鋭い視線を送って来るけど、相手にしても仕方ないから、気にしないことにしよう。


そうこうするうちに、チャイムが鳴る。だけど先輩はまだ来ない。


(どうしたんだろう?)


来たら、気まずくてイヤだなとは思っていたけど、来ないとなると、やっぱり心配になる。


先生が入って来たけど、先輩はやはり来ない。そして、何事もなかったようにSHRが始まった。
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