Some Day ~夢に向かって~
「つまり、この子達のサボタージュは白鳥さんのせいって言いたいのか。」


「ああ。」


沖田くんの問いに、あっさり頷くリーダー。


「ふざけんなよ、装飾班のリーダーはお前だろ。」


反発する塚原くんに対して、リーダーは冷静だ。


「そうだ、もちろん俺の責任はある、加瀬達の責任も。俺達がリーダーとしての役割を果たさなかったから、この事態が起こった。」


「・・・。」


「結果、俺達の作業は遅れてしまった。そして、確かなことは、俺達の作業がもし間に合わなければ、3-Aの模擬店はオープン出来ない。」


そう言うと、リーダーは彼女達に言った。


「お前達が乗り気でないのは、仕方がない。だけど今は力を貸してほしい。この通りだ。」


彼は頭を下げる。


「私達を責めないの?」


「責めてる暇なんかないよ。それに、クラスで取り組むはずの作業をサボろうとしたお前達、そしてそれに気づきながら何も言わず、本来その立場じゃない水木に嫌なことを言わせた俺達。どっちもどっちだろう。」


そう言い終わるとリーダーは微かに笑った。


「わかった、みんな今まで、ごめんなさい。私やる、やらせてもらいます。」


そう言ってくれたのは桜井さんだった。彼女に続いてくれる子もいたけど、全員じゃなかった。何人かの子は白けた表情で、教室を出て行った。


「ありがとう。」


「よかった、一緒にやろう。」


桜井さん達、残ってくれた子達に2人の実行委員は嬉しそうに声を掛ける。


「桜井さん、ありがとう。」


「よろしくね。」


思わず声を掛けた私にも笑顔で、答えてくれる桜井さん。


「みんな、やるじゃん。」


「うん。」


由夏の言葉に、私は大きく頷いた。
< 32 / 178 >

この作品をシェア

pagetop