Some Day ~夢に向かって~
「ねぇ、悠。」


「なぁに?由夏。」


休み時間、由夏が釈然としないと言った様子で話し掛けて来た。


「先輩さ、みんなに声掛けて回ってた。私にまで、ごめんな、なんて言ってもらってさ。恐縮しちゃったんだけど。」


「先輩の熱、仮病だって言ってたもんね。」


「それを言わないでよ、反省してるんだから。それよりも、本来なら真っ先に先輩が、声を掛けなきゃならないのは、悠なんじゃない?悠だって、先輩に謝りたいって言ってたじゃん。それなのに・・・。」


「そのこと?」


由夏が言いたいことがわかった。


「いいんだ。」


「えっ?」


「先輩と私の間の話はもう終わってるから。」


「それって・・・。」


「昨日の夜、話したんだ。先輩と。」


「電話で?」


「ううん、先輩昨日の夜、私の家まで来てくれたんだ。」


「ええっ?」


由夏のびっくりした声に、周囲の視線がこちらに集まる。


「ちょっと、声大きいって。」


「ゴメン。でもあまりにもビックリしたから・・・。」


「そんなに驚くこと?」


「驚くことだよ。だってわざわざ体調不良を・・・。」


と由夏が言いかけた時、教室のドアが開き、先輩の声が響いた。


「加瀬!一緒にやってくれるって、みんな。」


見ると、先輩とその横に何人かの女子がうつむき加減に立っている。


「本当ですか?」


「ああ。な、みんな。」


「ごめんなさい、私達・・・。」


「いいよ、もう。よかった、本当によかった。ありがとう、白鳥さん。」


「桜井が一緒に話してくれたんだ。」


「ありがとう、桜井さん。」


「自分だけいい子になるわけにいかないから・・・。」


尚も文化祭に背を向けていた子たちを先輩が加奈ちゃんと一緒に説得してくれたみたい。これで3-Aも一致結束だ。


「よかった・・・。」


「可哀そうに、あの子達・・・。」


「えっ?」


ホッとした私の横で、由夏がおかしなことを言う。


「もう、絶対勝ち目ないのにな・・・。」


(由夏・・・。)


その言葉に私は驚いて、由夏を見てしまった。
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