Some Day ~夢に向かって~
夢と現実
せっかく先輩と想いが通じ合ったのに、次の日からなんと3連休。学校はもちろん、予備校まで休みって、この時期におかしくない?


会いたくって仕方ないのに、我慢しなきゃならないって、やっぱり受験生はつらいな。でもカレカノになれたのは、夢じゃない、現実。


だって、ちゃんと付き合い始められたら、やろうと思ってたって言ってくれて、つながったLINEから先輩の声がちょくちょく届く。


鬼カテキョウにしごかれてる、助けて~ってLINEが入って来た時は、思わず笑っちゃったけど、その直後に真剣味が足りないって、携帯取り上げられたらしいから、みどりさんも厳しい。


そんなこんなで、迎えた月曜日の朝。やっと先輩に会えると、ちょっと気合が入りながら、登校準備をしていると、インタ-ホンが鳴った。


こんな時間に誰だろうと思いながら、準備を進めていた私にお母さんから声が掛かった。


「悠、お友達よ。」


「えっ、友達?」


一瞬ビックリした私だけど、意味ありげなお母さんの視線にハッとなって、慌てて玄関に出てみると、やっぱり・・・。


「おはよう、悠。」


って笑顔の先輩が立ってる。


「おはようございます。どうしたんですか?」


「どうしたって、悠を迎えに来たんだよ。一緒に学校行こうと思って。」


「でも・・・。」


前にも言ったけど、先輩の家は全く逆方向。凄い遠回りになる。


「今までだって来たかったんだ。でも塾の帰りの送りだって、俺が半ば強引に始めたんだから、引かれちゃうかなと思って、我慢してた。でも、もういいだろ?」


と笑ってくれる先輩。その笑顔がとてもまぶしくて、私の心は弾む。


「ありがとうございます、もうちょっとだけ待ってて下さい。すぐに出られますから。」


急いで戻ろうとする私に


「なぁ悠、せっかくだからお前のお父さんとお母さんに挨拶したいんだ。付き合い始めたんだからさ。」


「でも、父はもう出ちゃってますし、母も・・・。」


先輩の気持ちは嬉しいけど、お母さんは薄々もう私達のことわかってるみたいだし、問題は・・・と私がためらってると


「えっ、姉ちゃんの彼氏ってどんな物好き?」


とその問題の人物が勝手に向こうから・・・。


「健太。」


「あれ、ひょっとして明協のエースさん?姉ちゃん、何やってんの?こんな有名人と。」


「弟くんかな?初めまして、白鳥です。」


「あっ、おはようございます。悠の弟の健太です。」


不躾に現れて、ヒヤヒヤしたけど、挨拶はちゃんと出来たみたいで、まずはホッとする。続いてお母さん登場、先輩はちゃんと付き合い始めた旨をお母さんに報告、よろしくお願いしますって頭を下げてくれた。


でも、考えてみたら、朝の近所の人が一杯通る時間に、何してるんだろ。恥ずかしくなった私は急いで身支度を整えると、先輩に声を掛ける。


「お待たせしました、行きましょう。」


「おぅ。じゃ行ってきます。」


「お母さん、行ってきます。」


「行ってらっしゃい。」


急いでこの場を離れたくて、私は力一杯ペダルを踏み込んだ。
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