Some Day ~夢に向かって~
「そっか、健太くんも受験なんだ。大変だなぁ、悠のところは。」
「はい。でもどうせなら、一回で済んじゃった方が、なんて、両親は言ってますけど。」
こんな話をしながら、私達は学校に向かう。内容は他愛のないことだけど、こうして一緒に居られることが、とにかく嬉しい。
2人揃って校門を通り抜け、私達は自転車置き場に向かう。その姿はやっぱり人の目を惹くみたいで、注目を浴びてしまう。
自転車を置いて、教室に向かうのも当然一緒。コソコソと何か話されてるのも感じられて、さすがに恥ずかしくなって来る。
「注目浴びてるな。」
「はい。」
「気持ちいい。」
「えっ?」
「だって、こうやって悠と肩並べて、堂々と校内を歩くの、夢だったんだもん。」
そう言ってニヤリと笑う先輩。
「手つなごうか?」
「えっ、それは・・・。」
さすがに・・・って思う間もなく、私の右手は先輩の左手に捕らえられる。
「うん、最高。」
満足げな先輩の横で、私は顔が真っ赤になるけど、でも全然嫌じゃない。
こうして、見せつけるかのように教室に向かうと、なにやら中が騒がしい。
何事かと思って見ると、そこでは・・・。
「だいたいあんたって人は、昔っからそう。デリカシ-っていうものが、かけらもないんだから!」
「デリカシ-ね。そんな難しい言葉、俺の辞書にはねぇよ。」
「バッカじゃない?あんた、小学校からやり直したら。」
「へぇ、いつから小学校で、そんな言葉教えるようになったんだ。」
見れば、由夏と塚原くんが、言い合いの真っ最中。
「ねぇ、どうしたの?」
少し離れて、呆れ顔でその様子を眺めている沖田くんに声を掛ける。
「どうもこうも、教室に入って来るなり、岩武さんがツカツカとあいつに近寄ったかと思ったら、あとはご覧の通り。」
あちゃ~、3日たっても、腹の虫が収まらなかったんだ、由夏・・・。
「柄にもなく、真っ青な顔してやがるから、緊張ほぐしてやろうとした俺の優しさがわからねぇんじゃ、しょうがねぇよな。」
「何が優しさよ、単なる私に対する悪口じゃない。とにかく謝りなさいよ!」
「見解の相違だな、それは。」
果てしなさそうな言い合いに、堪りかねた人達が間に入って、2人はにらみ合いながらも離れて行く。
「やれやれ、何なんだ、あの2人は。」
いつもは止め役、なだめ役の沖田くんも、今日はさすがにもう付き合いきれんとばかりに傍観者に回ったみたい。
「なぁ、ソウ。ツカってああいうキャラクタ-だったっけ?」
「由夏もそうなんです。あの子、確かに気の強いところはありますけど、人に向かって『あんた』って言うの、私が知る限りでは、塚原くんに対してだけなんです。」
2人の接し方に、なんか違和感を感じる私達。
「さぁ、ケンカする程、仲がいいとは昔から聞くけど、あの2人の場合はなんなんですかねぇ?」
今朝はあくまで呆れモ-ドの沖田くんは、今度は私達に視線を向けて来ると言った。
「それより、お2人も、そろそろその手、離したらどうです?もうみんな、十分見せ付けてもらいましたから。」
えっ?と思ったけどもう遅い。由夏達の迫力に気を取られて、手をつないだままだったのをすっかり忘れてた。慌てて手を離した私達に、沖田くんは追い打ちを掛けて来る。
「こんな時期にこのクラス、ラブコメが流行っちゃって。どうすんだろう?先輩達のせいですよ。」
そう言って、ニヤニヤしながら私達から離れる沖田くん。
う~ん、今朝は沖田くんも、いつもとキャラ、違っちゃってる~。私は顔を赤くしながら、席に着いた。
「はい。でもどうせなら、一回で済んじゃった方が、なんて、両親は言ってますけど。」
こんな話をしながら、私達は学校に向かう。内容は他愛のないことだけど、こうして一緒に居られることが、とにかく嬉しい。
2人揃って校門を通り抜け、私達は自転車置き場に向かう。その姿はやっぱり人の目を惹くみたいで、注目を浴びてしまう。
自転車を置いて、教室に向かうのも当然一緒。コソコソと何か話されてるのも感じられて、さすがに恥ずかしくなって来る。
「注目浴びてるな。」
「はい。」
「気持ちいい。」
「えっ?」
「だって、こうやって悠と肩並べて、堂々と校内を歩くの、夢だったんだもん。」
そう言ってニヤリと笑う先輩。
「手つなごうか?」
「えっ、それは・・・。」
さすがに・・・って思う間もなく、私の右手は先輩の左手に捕らえられる。
「うん、最高。」
満足げな先輩の横で、私は顔が真っ赤になるけど、でも全然嫌じゃない。
こうして、見せつけるかのように教室に向かうと、なにやら中が騒がしい。
何事かと思って見ると、そこでは・・・。
「だいたいあんたって人は、昔っからそう。デリカシ-っていうものが、かけらもないんだから!」
「デリカシ-ね。そんな難しい言葉、俺の辞書にはねぇよ。」
「バッカじゃない?あんた、小学校からやり直したら。」
「へぇ、いつから小学校で、そんな言葉教えるようになったんだ。」
見れば、由夏と塚原くんが、言い合いの真っ最中。
「ねぇ、どうしたの?」
少し離れて、呆れ顔でその様子を眺めている沖田くんに声を掛ける。
「どうもこうも、教室に入って来るなり、岩武さんがツカツカとあいつに近寄ったかと思ったら、あとはご覧の通り。」
あちゃ~、3日たっても、腹の虫が収まらなかったんだ、由夏・・・。
「柄にもなく、真っ青な顔してやがるから、緊張ほぐしてやろうとした俺の優しさがわからねぇんじゃ、しょうがねぇよな。」
「何が優しさよ、単なる私に対する悪口じゃない。とにかく謝りなさいよ!」
「見解の相違だな、それは。」
果てしなさそうな言い合いに、堪りかねた人達が間に入って、2人はにらみ合いながらも離れて行く。
「やれやれ、何なんだ、あの2人は。」
いつもは止め役、なだめ役の沖田くんも、今日はさすがにもう付き合いきれんとばかりに傍観者に回ったみたい。
「なぁ、ソウ。ツカってああいうキャラクタ-だったっけ?」
「由夏もそうなんです。あの子、確かに気の強いところはありますけど、人に向かって『あんた』って言うの、私が知る限りでは、塚原くんに対してだけなんです。」
2人の接し方に、なんか違和感を感じる私達。
「さぁ、ケンカする程、仲がいいとは昔から聞くけど、あの2人の場合はなんなんですかねぇ?」
今朝はあくまで呆れモ-ドの沖田くんは、今度は私達に視線を向けて来ると言った。
「それより、お2人も、そろそろその手、離したらどうです?もうみんな、十分見せ付けてもらいましたから。」
えっ?と思ったけどもう遅い。由夏達の迫力に気を取られて、手をつないだままだったのをすっかり忘れてた。慌てて手を離した私達に、沖田くんは追い打ちを掛けて来る。
「こんな時期にこのクラス、ラブコメが流行っちゃって。どうすんだろう?先輩達のせいですよ。」
そう言って、ニヤニヤしながら私達から離れる沖田くん。
う~ん、今朝は沖田くんも、いつもとキャラ、違っちゃってる~。私は顔を赤くしながら、席に着いた。