キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「はて・・・どこかで君を見た事が」

「君は何物だ?」

「あぁ・・・僕はアリウムの王子です」

「だから知っているんでしょう」

バリー博士はあごの辺りの毛を

ふわふわ触りました

「あ、思い出したぞ」

「その服だ服」

「は・・・この服が何か?」

バリー博士はキネウムの服の

タグを引っ張りました

「ほら見てみろ」

「わしの助手のサインが入っておる」

「はぁ・・・え?あれ?」

「薄々気付いてはいましたが」

「人間達は僕の事知らないんですか?」

バリー博士は天高くそびえる

キネウム城を見て言いました

「そら知る訳なかろう」

「誰もキネウムの領地に」

「踏み入る事が出来ないんじゃからな」
< 144 / 255 >

この作品をシェア

pagetop