キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「王子様、王子様・・・」

「起きて下さい・・・王子様・・・」

「むにゃむな・・・」

「もうっふりかけかけすぎだよ・・・」

「モーリー!」

「ごま塩は僕の物だと言っただろ!!」

「勝手に使うんじゃ・・・」

早芝は手の平大の蛾を

むしゃむしゃ食べているキネウムを見て

本当にこの人が世界を救うのか?

あの占い師・・・適当な事言いやがって

と心の中で思いましたが

あれ、何か店内の照明が落ちて・・・

あ、あの店員、電気消してやがる

え?何?もう帰れっての?

ちょっと待って!

なんで私いつもこんな感じなの?

はいはいどうせ使い勝手のいい女ですよ

はぁ・・・やってらんねぇ・・・

早くナゲット食べたい・・・

早芝はキネウムの服をむんずとつかむと

ばりばりとガラスの上を歩き

暗い森の中へと足を踏み入れるのでした
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