キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
破裂の人魚と素晴らしきこの現実

目の覚める様な碧空と小熊の体育座り

ウルリケ姉さんは言いました

とりあえずこの森を出れば

人魚の棲む浜が見えるから

人魚に会ってから色々考えなでござる

「ねぇテンちゃん、馬車どうしたの?」

「て・・・テンちゃん?」

「それは僕の事を指しているんですか?」

「そうだよ、お前はタマちゃんだ!」

イーディスに急にふわふわの毛皮で

お尻を執拗になでられた黒蛙は頬を膨らし

低い声で言いました

「・・・白い奴は?」

「マリちゃんだよねー?マリちゃん!」

「ていうかあたし達小熊姉妹って感じ?」

「やっべー可愛い」

「名か・・・人間になる為に必要な物の」

「ひとつなのかもしれないな」

「で、馬車は?タマちゃん」

「君もテンちゃんと乗ってたじゃん」

テンとタマはちらりと視線を合わせ

鼻をぴくぴく動かしました
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