キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「・・・フライドチキンの匂い?」

東東さんは鼻をひくつかせ言いました

「耳鼻科行けよ・・・」

「さすがにそれは無い」

「東さん・・・」

「これ野良犬の匂いじゃね?」

「はぁ?なんでトイレに犬入ってんだよ」

「はっ・・・死骸的な?」

水鳥はトイレのドアの

下の隙間を覗き込みました

「おいおいやめろよ水鳥」

「物好きにも程があっぞ」

「・・・茶色い毛むくじゃらの」

「・・・熊みたいな」

「動いてる」

水鳥を除いた三人は神速でトイレの外へと

這い逃げました

「水鳥!早くこいよ!」

「いくら動物好きだからって熊は無い!」

「もう一度言うぞ!熊は無い!!」

「しーぬぞー!」

しーんと静まり返ったトイレの中から

水鳥の独り言が聞こえてきます

「・・・獣臭さに紛れて女の匂いがする」

「この世のものじゃ・・・無いかも」
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