キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「それはな姫、血を残す為だ」

「生命の原点から紡がれてきた血の糸を」

「自分を通して強大な網へと」

「作り変えるのが生き物の本分」

「それを人間は切ったり貼ったり」

「時に変な刺繍模様を作り」

「現代アートだなんてほざきやがる」

「いいか姫」

「刺繍の入った可愛げな網タイツよりも」

「女子高生の履いている」

「少し肌が透けた黒ストッキングの方が」

「100万倍そそられるって事をだな」

タマはハッと我に返りました

それはイーディスの冷たい視線が

下の方からぶすりと刺さったからです

「最近人間の脳に近づいてきたらしくて」

「どうも調子が悪い・・・」

「姫、結局はだ」

「俺も一族の繁栄の為に」

「今こうして動いているんだ」

「その為に姫は必要不可欠」

「我が一族にとって重要な血なんだ」

「分かるか?」
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