キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
ヒイシ

僕が彼女につけた名だ

僕は彼女に出会い

初めて夢精という物を体験した

彼女はただの木だった

だが

彼女の形に僕の体は

なぜか反応し奮えた

いつしか僕は

彼女を抱き締め

性交の真似事を始めた

それを知った父上は

ヒイシを切り倒し

僕に毎晩女性をあてがった

しかし

僕の望んでいたそれとは違っていた

僕はヒイシの墓を作り

朽ちたヒイシを抱き締めたりもした

そんな僕にとうとう父上は

ヒイシと僕の間に線を引いた

そして僕は

朽ちて逝くヒイシを

遠くから見守る事しか出来なくなった
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