キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
久しぶりにヒイシの墓をなでる

ヒイシはもう中がぼろぼろで

踏みつければ土と同化しそうな程だった

僕は自分の手で

優しく

ヒイシをほぐした

ぼろぼろと崩れ去る

昔の思い出

許してくれヒイシ

今まで君に触れる事が出来なくて

僕がもしも植物だったなら

君を絶対離さなかっただろう

だが僕は・・・人間だ

君を体液で汚す事位しか

愛情を表現する事が出来ないんだ

僕はヒイシの欠片を小さな袋に入れ

そっとバッグの奥にしまい込んだ

君が人間だったら・・・ヒイシ

さようなら
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