溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
固まっている私の目を遥が覗き込んできてハッとする。

「あ……緊張しちゃって。すみません。み、水無月楓です」

早速噛んじゃった〜!

失敗、失敗。

もう一回やり直せないだろうか?

そわそわしながら遥のお母様の顔色を窺う。

「修也君の妹さんなんですってね。お兄さん、今イギリスだから寂しいわよね」

遥のお母様が気さくに話しかけてくれて、心が少しだけ落ち着いた。

「でも、遥さんがいるので、大丈夫です。それに、今月一時帰国するので」

そう、こないだお兄ちゃんから五月下旬に帰国すると電話があったのだ。

なんでも東京の大学に呼ばれていくつか講演をするらしい。

嬉しくて笑みを零せば、遥のお母様は優しく相槌を打った。

「まあ、それは楽しみね。時間があったら、私も修也君に会いたいわ。ねえ、あなた」

彼女が総理と談笑し終えた遥のお父様の肩に触れて声をかける。

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