溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「遥……」

名前を呼べば、彼は私を優しい眼差しで見つめた。

「ん?どうした?」

触れずにはいられない。

遥の目をじっと見つめながらその逞しい胸に身を寄せる。

ああ……あったかい。

彼は微かに目を見開くも、私の身体を抱き寄せて膝に乗せた。

「遥が……生きててよかった」

心から彼に告げる。

彼とこうしていられるのも、座敷童の折り鶴のお陰かもしれない。

「俺も楓が無事で良かった」

遥も私の頭を撫でながら言葉を紡ぐ。

もっと彼に触れたい。

触れて彼が生きているって確かめたい。

「遥」

もう一度彼の名前を呼ぶ。

今……この瞬間、美桜が言っていた事がわかった気がする。

自分から顔を近づけて彼に口付けた。

この人が欲しい。欲しくてたまらない。

そんな私の思いに応えるかのように彼はキスを深めていく。

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