溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
手を出さなかった自分を褒めてやりたいぐらいだ。

「朝から煩い奴。朝風呂にでも入ってくるかな」

ハーッと溜め息をつきながら髪をかき上げる。

部屋を出ようとしたら、隣の部屋から彼女が青白い顔で飛び出して来た。

「ぎゃぎゃあ〜!遥〜!」

俺の背中に楓はピタリと張り付く。

「今度は何だよ」

彼女の方を振り返れば、ビクつきながら隣の部屋を指で示す。

「ま、枕元に折り紙が……」

「はあ?」

楓が何を言っているかわからなくて聞き返すと、彼女はか細い声で告げた。

「……ざ、座敷童が現れたんだよ。きっと」

半信半疑で隣の部屋に向かうと、確かに枕元に折り鶴がふたつ置かれていた。

それを見て呆気に取られる俺。

「……女将の話、本当だったんだな」

なんだか狐につままれたような感じがするが、不吉な話ではない。

「せっかくだから記念にもらっていくか」

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