世界で一番優しい嘘〜短編集〜
『僕の世界で一番愛しい娘へ』
手紙の始まりはこうだった。
『りりちゃんは今どんな顔してる?
笑ってる?泣いてる?
僕はきっとここでも笑ってるから、心配しないで
りりちゃんは笑ってればいいから
りりちゃんあまり長い手紙が書けないから、短くして伝えるね
僕は生まれた時からこんな体だったんだけどら、きっと早く死ぬとは分かってたんだけど、でも、りりちゃんが僕ところに来てくれるとは思ってなかった
だからとても嬉しかった
ありがとう、僕の娘になってくれて
愛してるよ
僕の可愛い一人娘、セリア
どうかいつまでも幸せに
忘れないで
僕はずっとりりちゃんの味方だからね』
・・・ほんとう、短いお手紙・・・。
けど、お父さんが伝えたいことは伝わった。
すごく短い
お父さんはとても短い手紙を書いた。
「・・・セリア・・・、拭きなさい、涙・・・・・・」
お姉さんはハンカチを渡した。
止まらないの
とめたくても、止まらないの
ねぇ、お父さん
私も愛してる、愛してる。
ありがとう、ありがとう
私のお父さんになってくれて
*❀٭
『僕はもう一度りりちゃんのお父さんになるから』
end
