世界で一番優しい嘘〜短編集〜

『僕の世界で一番愛しい娘へ』

手紙の始まりはこうだった。

『りりちゃんは今どんな顔してる?

笑ってる?泣いてる?

僕はきっとここでも笑ってるから、心配しないで

りりちゃんは笑ってればいいから

りりちゃんあまり長い手紙が書けないから、短くして伝えるね

僕は生まれた時からこんな体だったんだけどら、きっと早く死ぬとは分かってたんだけど、でも、りりちゃんが僕ところに来てくれるとは思ってなかった

だからとても嬉しかった

ありがとう、僕の娘になってくれて

愛してるよ

僕の可愛い一人娘、セリア

どうかいつまでも幸せに

忘れないで

僕はずっとりりちゃんの味方だからね』

・・・ほんとう、短いお手紙・・・。

けど、お父さんが伝えたいことは伝わった。

すごく短い

お父さんはとても短い手紙を書いた。

「・・・セリア・・・、拭きなさい、涙・・・・・・」

お姉さんはハンカチを渡した。

止まらないの

とめたくても、止まらないの

ねぇ、お父さん

私も愛してる、愛してる。

ありがとう、ありがとう

私のお父さんになってくれて

*❀٭

『僕はもう一度りりちゃんのお父さんになるから』

end
< 28 / 28 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

「僕はずっと前から君を知ってるよ」
聖女/著

総文字数/20,454

恋愛(純愛)67ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある日の東の塔での出来事ーーー。 あなたはいつもいつもーーー。 庭の噴水から流れる水に足を入れ、ヴァイオリンを弾いてくれるーーー。 「あなたはわたしを知ってるの?」 その人にわたしはだんだん、惹かれていった。 そう、好きになった。 とっても、好きになっていた。 「知ってるよ。 ずっと前から君を知ってるよ。」 打ち解けてからはなんでも話すことができた。 あなたにはこころを開けた。 あなたが好きだった。 「ごめんね、僕は君が大好きだよーーーでもその想いには応えられないんだよ…でも大好きだから」 まさかこんな結末が待っているなんて、想いもしなかったーーー。 「忘れないで。僕はいつでも君を見守ってるから。愛してるよ、僕の大切なーーー」 風とともに消えるあなたは最後まで美しかったーーー。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop