冷たい彼氏に彼氏の弟と復讐します。
澄「あ、月夜!…気持ち悪いって…酷いなぁ…」


月「…いや、実際気持ち悪いし…」


澄麗に話し掛けた少年、月夜くんは澄麗の彼氏であり彼の双子の兄である朝陽くんへと視線を向けます。


そこには他の男子や女子とお昼を食べている朝陽くんの姿がありました。


月夜くんは眉間にシワを寄せると澄麗の手首を優しく掴み、教室から連れ出しました。


澄「え、え???つ、月夜?どこ行くの!?」


月「…うるさい…」


混乱する澄麗を他所に月夜くんはスタスタと歩き続け、階段を登り始めました。


そこで澄麗は何処へ行くのか気付きました。


階段を登りきった所にある扉を開けると、そこには広々とした屋上があります。


澄「つ、月夜?屋上って、確か立ち入り禁止区域じゃ…」


月「…大丈夫。…誰も来ないよ…」


月夜くんはパッと澄麗の手首を放すと日陰に座り込みお弁当を広げ始めました。


澄「…どうして、ここに連れて来てくれたの?」


月「…」


月夜くんは少し考える素振りを見せたあと眉間にシワを寄せ溜息を着きました。


月「…兄貴…。」


澄「…え?朝陽くん?」


月「…兄貴、お前の事放って他の奴と食ってるし…お前からしたら辛いんじゃないかって…思って…悪い。勝手なことして…」


月夜くんはボソッと吐き捨てるように呟くと顔を背けました。


彼なりの不器用ながらも温かい気遣いに澄麗は胸が温まるのを感じました。


澄「ううん。ありがと…。最近では、慣れたけど…今でもまだやっぱり悲しいし辛いには辛いかな…」


澄麗は悲しげに微笑みを浮かべ、小さな手をキツく握り締めました。


その姿に月夜くんは顔を歪めました。


顔を俯け暫く何かを考え込んだあと月夜くんは何かを決意した顔で言いました。


月「…アンタは…ホントに兄貴で良いの…?」


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