モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「本当に榛名取締役とは何でもないの?」


川島さんに核心を聞かれる。

何でもない?

告白はされたが、今は彼女でもない。

それに人気者の取締役と付き合うのは怖い気もしてきた。


「もちろん!何でもないですよ。」


明るく答えた。

笑みを浮かべて心の中を読まれないように。


「秘書としては失格よね?直属の上司である取締役の彼女になったら。」

「えっ?」

「当たり前でしょ?公私混同は秘書のタブーよ。」

「…………。」

「まあ榛名取締役のような方はご令嬢とお付き合いするわよね。」

「…………。」

「釣り合わないもの。」


川島さんの言葉が胸に突き刺さる。


『釣り合わない』


私と榛名取締役では釣り合っていない。

私は普通の家庭で育ってきたが、取締役は大手企業ハルナの御曹司。

確かに釣り合わない。


「夢を見過ぎると秘書が務まらなくなるわよ。」

「はい。」

「榛名取締役は直属の上司だって事を忘れたら駄目よ。」

「はい。」


川島さんの視線が逸らされる。
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