モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
私にとって榛名取締役は夢のような相手。

そんな人との付き合いなんて想像も出来ない。

俯き加減で唇を噛み締めた。

さっきまでの動揺が嘘みたいに冷めていく。

これが現実なんだと…………。

目の前の内線が鳴り響く音に頭を切り替える。


「はい、秘書課斉藤です。」

「斉藤さん?明日の資料はまだかな?」

「すみません、すぐに確認してお持ちします。」

「一緒にコーヒーも頼むよ。」

「はい。」


大きく深呼吸をして気持ちを切り替える。

今は仕事の時間だ。

席から立ち上がり、明日の資料確認の為に開発企画部へ向かった。

開発企画部に入れば何やら視線を感じる。

噂が広まっているのを実感する。


「片山部長、失礼致します。明日の会議の資料ですが。」

「あー、榛名がいると思うが。榛名!」


剛が呼ばれているようだ。

視線を向ければ、デスクから顔を上げた剛と目が合う。


「榛名、明日の資料は?」

「ここにあります。」

「斉藤さん、榛名から貰ってくれるかな?」

「はい。」


部長の席から剛の席へ向かった。
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