モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
座る剛の隣に立てば、わたしを見上げる視線と交わる。


「榛名さん、明日の資料をお願いします。」

「これ。」

「ありがとう。部長は確認済みかしら?」

「ああ。」

「では取締役に渡しておきます。」


仕事中の私は剛に背を向けて歩きだそうとしたが……背後から腕を掴まれ振り返った。


「少し話がある。」

「…………今は仕事中だから。」

「すぐに終わる。来いよ。」

「ちょっ、この資料を渡さないと。」

「すぐに終わる。」


強引に腕を掴まれて連れて行かれる。

なんか更に注目度が増している気がする。

少し強引な剛に仕方なく後をついていった。


「奢ってやる。」

「何なのよ。」


有り難く自販機で飲み物を奢って貰い、近くにある長椅子に並んで座った。


「っで?」

「噂。」

「あー、高井戸専務とランチに行っただけ。」

「早速かよ。」

「わざわざ会社まで来て頂いて、ランチしない訳にいかないでしょ。」

「高井戸専務に告られでもした?」


告られ…………

それは榛名取締役にだ。
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