モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
駅の方角から剛の姿が見えてきた。

剛の視線が私達に向けられている。

目の前まで近づいてきた剛が口を開いた。


「悠菜、兄貴と付き合うのか?」


私と仁を交互に見る。


「問題あるのか?」


口を開いたのは私じゃない。

隣に立つ仁が挑発的な言葉を投げ掛けたのだ。


「剛は友達ってだけだろ。なら問題ない筈だろ?」


いつもより口調が明らかに荒っぽい。


「問題ある。」

「何だ?」


2人の雰囲気に、この場に緊張が張り詰める。


「俺も悠菜が好きだ。」

「えっ?」
「…………。」


思わず漏れる言葉。

聞き間違いなのか?

剛が私を?

嘘。


「悠菜、俺もお前が好きだ。」


今度はハッキリと聞こえた。

剛と視線が交わる。

身体が動けない。


「ふーん、だから?」

「兄貴には渡さない。」

「俺も弟だからって譲る気はない。」


嘘みたいな展開に言葉も出ない。
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