モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「仁さん、部屋はちょっと…………。」

「何で?」

「片付けてないし、狭いし。」

「気にしないけど。」


いやいや私が気にする。

さすがに部屋の中は無理だ。

俯き加減で歩く私の頭を仁が撫でる。


「外で待つか?」

「すみません。」

「そのうち入れてよ?」

「…………機会があれば。」


だってワンルームだよ?

片付けてもないし無理だ。

マンションの前に到着した私達は剛に連絡を入れる。


『どの辺り?向かってる?』


メッセージを送信すれば、しばらくするとメッセージが送られてきた。


『もうすぐ駅。』

『マンションの前にいる。仁さんも一緒だから。』


一応、仁も一緒にいると報告する。


「悠菜、本当に剛とは何もない?」


携帯から視線を上げた。

不安そうな瞳が私を見つめている。


「悠菜?」


答えられない。

剛とは何もない。

だけど仁にとっては『何もない』とは言えないかもしれない。

仁はどう思うのか?

無意識に大きな深呼吸が漏れていた。
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