モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「悠菜、俺と寝たよな?」


耳元で囁かれた言葉に動きを止めた。

途端に突き刺さる視線を背に感じる。


「寝た?」


仁の低い声が背後で吐き出されていた。


「悠菜、俺のベッドで寝たよな?」

「本当なのか?」


仁の声が僅かに震えているのに気付いた。

私は覚悟を決めて頷いた。


「飲み過ぎて剛に送ってもらった日、起きたら剛のベッドだった。」

「剛、どういうつもりだ?」

「でも何もなかった。」


仁に答えたのは私だ。

それでも剛は仁への攻撃を止めない。


「兄貴には無理だろ?男の部屋に泊まるような女は。」

「…………。」

「兄貴とは付き合えない。」


剛に抱き締められたまま、呆然と立っているしかなかった。

仁は何も話さない。

私に呆れたんだろう。

ギュッと目を閉じて心を落ち着かせようとする。

途端に背後から腰を思いっきり引っ張られ、油断していた剛の腕から引き剥がされた。

見上げれば、仁が剛を睨むように見ていた。
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